ネットビジネスで収入の自由化に成功! 悠々自適なライフスタイル白書

 

アルバイトが火だるまになった話

 

 

 

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これは、僕がまだ飲食店で店長になったばかりの頃のお話です。

 

 

 

そのお店の事務所は、ホールやキッチンから少しだけ距離があり
後に増築されたような建物でした。

 

そこはスタッフの更衣室も兼ねた6畳ほどの小さな木造の離れといった感じでしょうか。

 

 

机にはFAX付きの電話機が1台とタイムカードと灰皿がおいてあるだけの質素な事務所でしたが、スタッフ同士が、たわいもない話で盛り上がれる、唯一憩いの空間でした。

 

 

当時はまだパソコンも導入されていない時代で、今思えば何もかも手探りの毎日だった気がします。

 

 

古いお店だったので、店内はもとより至る所の汚れが目立つように思えたのも
自分が初めて店長になったからだったのかもしれません。

 

 

 

 

古いお店というのは、すぐほこりも汚れもたまり、あまり衛生的に考えられた材質などは使用していません。

 

 

調理場や事務所の床はコンクリートで出来ていて
油がこびりつき靴の裏がすぐに真っ黒になってしまうのです。

 

 

そんな靴を履いて家に帰るものですから、玄関も気がつけば油で黒ずんでいました。

 

 

それに気がついた奥さんは激怒して

 

『床を掃除してから、帰ってきなさい!!』

 

といつも叱られるのですが、
長年の油がこびりついてなかなか一筋縄ではいかないのです。

 

 

飲食業は一般にスキルの高い人ほど汚さずに仕事を進めていきます。
汚さなければ掃除する必要も無いからです。

 

 

けれども僕もアルバイトも未熟者ばかりなので、忙しさに追われて店は汚れていく一方なのです。

 

 

 

 

その日はいつもより客足が少なく、仕込みも終わりあとは掃除をして帰るだけ
といった感じでした。

 

 

僕は今日こそ油がこびりついた汚い床を徹底的に磨いてやろうと意気込み
色々な薬剤やら道具を持ち出してきました。

 

 

 

その日、一緒に組んでいたアルバイトの石原(仮名)は大学2年生で、
店に入ってまだ3か月。

 

 

彼は体も大きく180pほどの背丈で、
妙に根拠のない自信を持ち合わせた独特のキャラクターでした。

 

 

そして口癖はどんなに忙しく追い込まれようとも

 

『余裕!』 

 

とひきつった笑顔で返してくるのです。

 

 

性格は単純で少しバカっぽいところが、
僕は結構お気に入りで、よく一緒に組んで仕事をしていたものです。

 

 

 

 

僕:『イッシ―(石原)、今日は床をピカピカにするぞ!』


 

 

僕:『俺はキッチンを磨くから、お前は事務所の床を磨いてくれ。』


 

 

 

 

石原:『余裕!!』


 

 

 

僕:『見えないからってサボるなよ (笑)』


 

 

石原:『余裕!!』


 

 

 

僕:『ヤバかったら呼ぶから、来てよ!』


 

 

 

石原:『余裕!!』


 

 

 

 

僕:(・・・・・こいつ本当に日本人か?)


 

 

 

 

そんなやりとりをしながら、彼と分担して床を磨くことになったのです。

 

 

その間にも、ちょこちょこオーダーが入ってくるのですが、なんとか僕一人でこなして
彼には離れた事務所の床をきれいに磨くことに専念してもらいたかったのです。

 

 

 

 

掃除を初めて30分ぐらいでしょうか。 

 

全然 彼が戻ってこないので、事務所まで様子を見に行くと

 

案の定、余裕かましてサボっていました。

 

 

 

僕:『イシハラー(怒)サボるなって言っただろー!!!』


 

 

 

石原:(慌てた様子で)

 

『よ、余裕!!』


 

 

 

 

 

僕:『終わったら、床をきれいに水で流して、消毒しておけー!!』


 

 

 

 

そう言って僕は再びキッチンに戻っていきました。

 

 

 

馬鹿のイシハラ

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それから30分ほどたった頃、突然隣の事務所から 大声で

 

『うわー!、やべー』

 

といった声が聞こえてきました。

 

 

 

慌てて様子を見に行くと、そこには信じられない光景が僕の目に飛び込んできたのです。

 

 

 

なんと掃除をしていたはずの石原が

 

炎に包まれて床を転げまわっていたのです。

 

 

 

 

 

とっさに僕はキッチンで使っていたホースを引っ張り、勢いよく彼に水をかけ
なんとか火を消し止めることができましたが、あわや大惨事になるところでした。

 

 

 

 

 

僕:『イシハラー、大丈夫かー?』


 

 

 

 

石原:『よ、余裕。。。』


 

 

 

僕:(さすがに余裕がないのか。。。)


 

 

 

その時の石原は、コックコートも、ズボンも丸焼けで、顔も炭でまっ黒になり、
髪の毛もチリチリに焦げていました。

 

しかし、何がなんやらさっぱり原因がわかりません。

 

 

 

僕:『石原ー、なんでこうなったー!!』


 

 

 

石原:『タ、タバコ吸ったら、急に燃え始めた。。。』


 

 

 

 

 

瞬時に僕は『はっ!』と自分が言った言葉を思い出しました。

 

 

(僕:『終わったら、床をきれいに水で流して、消毒しておけー!!)

 

といって彼に渡したのがアルコールの殺菌スプレーでした。

 

 

今でこそ、どこのお店にも常備しているのが普通ですが、
当時は、アルコールで消毒・殺菌するという事がまだ一般に浸透していなかった時代でした。

 

 

この頃、『これからは頻繁に、アルコールのスプレーを噴霧して殺菌するように!』
という本部からの通達もあり、

 

当時、僕らは面白がってあちこちにアルコールをふきかけていたんです。

 

 

 

聞くところによると、石原は掃除が終わってアルコールをスプレーで事務所全体に吹きかけていたそうです。

 

 

それに飽き足らず、床全体に大量のアルコールをまきちらし消毒していたというのです。

 

 

掃除も終わり、一息ついた石原はあろうことか、タバコに火をつけて、無意識に灰を床に落としていたというのです。

 

 

当然、大量のアルコールにタバコの火が引火してみるみるうちに事務所の壁にまで燃え広がったそうです。

 

 

 

慌てた石原は急いでその辺にあるもので消し止めようとしたが、なかなか消えなかったらしく、終いには自分の体にまで火が引火してしまい、床に転げまわっていたのです。

 

 

僕:『お前、アルコールに火がつく事、小学校で習わなかったのか??』


 

 

 

 

石原:『習ったけど忘れた。。。』


 

 

 

唖然とした僕は、水浸しになった事務所を見渡し、
ところどころ黒焦げになった壁や柱を見て本当にぞっとしました。

 

 

あと1歩遅ければ、消防車が出動する事態になって翌日の新聞に載るところでした。

 

 

 

 

馬鹿のイシハラがすごいのは、こんな大事を起こしたにも関わらず、
この後も、焦げてボロボロになったズボンとチリチリの頭でラストまでバイトを勤め上げ、笑いながら仲間と帰って行ったことです。

 

 

 

『馬鹿は最強だなー』としみじみ思い、僕も帰ろうと上着を取りに事務所に戻りましたが、なぜか定位置に見当たりません。

 

 

キョロキョロと事務所内を見渡すと
黒焦げに変わり果てた僕のお気に入りの8万円のジャケットが事務所の床の隅に
さりげなく横たわっていました。

 

 

僕:『・・・・・・・・』

 

 

 

 

『イ・シ・ハ・ラーーーー』 怒

 

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