残酷だった合格発表。ふるい落とされた瞬間
中学3年の冬 生まれて初めて大きな挫折を経験しました。
高校受験失敗
もう何年も前の事ですが、この日が人生で最初の分岐点だったと思います。
誰もが、多感な時期で一番楽しい思い出が詰まった中学生活。
最後にこの残酷な現実を受け入れる強さを 僕は持ち合わせてはいませんでした。
当時の僕は、地元の公立中学校に通うごく普通の中学生でした。
成績はいつもクラスで真ん中ぐらい、勉強もスポーツもそこそこ。 何をやっても平凡で、どこにでもいる普通の14歳。
ただ、当時は、結構 活発なタイプで友達と呼べる人数は割と多かったと思います。
特に中学3年生の時のクラスは、全体的に仲が良く、文化祭や体育祭といったイベントや行事も非常に団結力が強く、周りからもうらやましがられる程、雰囲気が良く人に自慢できるクラスでした。
それまでのクラスは今一つ雰囲気になじめず、あまり良い思い出が見当たりません。
それだけに中学生最後のクラスだけは、今でもかけがえのない記憶として自分の中に刻み込まれています。
きっと誰にでもそんな時代が人生のどこかに存在するんじゃないでしょうか。
そんな時期、僕にも初めて彼女ができました。
3年生のある日、体育館の裏に彼女を呼び出し生まれて初めて女の子に告白したのです。
当時は、今と違ってメールやLINEなど無い時代なので、面と向かって思いを伝えるというのは、本当に勇気のいる行動でした。
頭は真っ白になり、リアルに心臓が口から飛び出しそうなぐらい緊張して何を喋ったか全く覚えていません。
ただ、彼女がうつむいて小さな声で『お願いします。』と言った事だけは今でもはっきり覚えています。
彼女は同じクラスで、性格は少し活発でみんなからとても人気者な女の子でした。
ですから僕は、そんな彼女と付き合えた事がとてもうれしくて、毎日学校に行くのが楽しくて仕方ありませんでした。
とはいえ、中学生のおつきあいですから、子供のままごとの続きのように、時々電話したり、たまに一緒に帰ったりするぐらいが関の山でしたが。。。
それでも当時は人生の絶頂期でした。
しかし、そんな楽しくて幸せな日々が長く続くわけもなく、夏休みごろから殆どの3年生は高校受験を意識して塾に行ったり家庭教師をつけたり少しずつ周りの環境が変化していきました。
僕と彼女も自然に受験の話が多くなり、いつしか二人は同じ高校に行く事を約束していました。
当時は、2人で同じ高校に通えることを思い描いて毎日深夜まで机に向かって必死に勉強したものでした。
その時に一つだけ学んだ事は
「目標が明確だと人間は、こんなにも頑張れるんだ。」 と改めて実感しました。
そして、受験当日
僕は、今でもこの日の事をはっきり思い出すことが出来ません。
実は試験の1週間前から異常なほど高熱が続き、学校に行くことすら出来なかったのです。
それまで毎日、睡眠時間を削り深夜まで受験勉強しながら、不摂生した事が原因で体調を崩し、教科書も参考書も開くことが出来ずに、1週間 毎日布団の中で唸っていたのです。
まさに 本末転倒ですね。。。。
受験当日の朝は、熱が40度以上あった事だけは覚えています。
それでもなんとか受験会場までたどり着き、朦朧(もうろう)とする意識の中で受験番号と名前を書き、とりあえず解答用紙を埋め、あとは彼女と同じ高校に行けることだけを信じ帰宅の途につきました。
僕は、深い眠りに落ちながら生まれて初めて神様に祈りました。
合格発表当日
結果は冒頭でも記したように見事 不合格でした。
一縷(いちる)の望みにかけて発表に出向いたのですが、あえなく玉砕でした。
今思えば、自分の体調管理の甘さが全ての原因なのですが、この時ばかりはそんな割り切れる程大人でもなく くやしさと悲しさだけがこみ上げてくる毎日が本当に地獄のようでした。
しかし、本当の地獄はここからでした。